井の外の蛙

アメリカ在住15年エンジニアから見た日本

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「集団自決」の話

昨日の記事は、成田悠輔氏の「集団自決」発言にも関係しています。成田氏は少子高齢化に伴い日本の社会保障をどう維持していくかという観点で発言していたのに、ニューヨークタイムズの記事をきっかけに論点が高齢者差別にすり替わってしまい、せっかくの問…

低価格志向の話

「お客様は神様」のほかに、日本人がお互いの首を絞めていると感じるのが極端な低価格志向です。少しでも値段が上がると消費者が買わなくなるので、売る方は値上げする勇気がなく、コストを自前で吸収しようとして無理をします。すると結局みんなの購買力が…

教員の話

教員給与改定をNHKが「定額働かせ放題」と報じたのに対して文科省が抗議したとかいう話があるようですが、抗議などしている暇があったら教員の本来の業務(教育)と全く関係のない業務のせいで発生する残業をどうにかするのが先決でしょう。 日本の学校は超…

留学生の話

違うようで似ている気もする、留学生がらみのニュースを2つ取り上げます。 一つ目は、高校駅伝で留学生が走れる区間が制限されるという話、二つ目は就職活動で名前だけで留学生と判断されて落とされたという話です。それぞれそういうことになった理由と、実…

富士山の話

富士山のオーバーツーリズム関係のもう一つのニュースは、富士山がコンビニの後ろに見えるスポットに黒幕が張られたことでしょう。なぜコンビニの後ろに富士山が見えるといいのかわかりませんが、コンビニ利用者には迷惑でしょうし、前の道路を無理に渡る行…

外国人料金の話

山梨県が富士山の入山料を義務化するそうで、やっとかという感じです。オーバーツーリズムに苦しむ全国の観光地に広がるとよいと思います。 欲を言えば徴収する国・県・市町村の住民は無料にすべきでしょう。国であれば外国人料金ということになります。税金…

選択と集中?

博士号取得者増のほか、もう一つ日本の大学政策の失敗を挙げるとすれば研究費の「選択と集中」でしょう。 これは研究の世界に企業論理を持ち込む典型例で、うまくいかないのは当たり前。研究というのは9割方失敗するもので、始めてみなければどうなるかわか…

学歴の話つづき

アメリカでは学歴も大事という話をしましたが、少なくとも理系は大学名に加えて最終学歴、つまり学士・修士・博士のどの学位を持っているかも大事です。 日本企業の場合、学位の種類は仕事の内容とあまり関係なく、初任給も年齢が高い分高いだけ。そのうえ博…

退職代行!?

ゴールデンウィーク明けで退職代行業者が繁盛しているとか。ちょっとここまで日本らしいニュースも少ないですね。 アメリカではレイオフだとその日でクビのこともありますが、自己都合退職の場合は2週間程度前までに会社に通告することになっている雇用契約…

アメリカ軍の話

たまにアメリカに永住している日本人女性に会うと、かなりの確率でアメリカの現役か退役軍人と結婚しています。息子・兄弟が日本の基地にいる・いたという話もしょっちゅう聞きます。それだけアメリカ軍の存在は日本で身近なのです。 現状では実質アメリカの…

カンニングの話

早稲田大学の入試で、スマートグラスを使ったカンニング事件が発覚しました。テクノロジーの進化で今後さらにカンニングの発見が難しくなるのではという話になっているようですが、いっそのことネットで聞いただけで解答できるような試験による選抜はやめた…

学歴とコネの話

アメリカは実力社会、学歴もコネも関係ないと思っている日本人もいるかもしれませんが、現実は全くの正反対です。飛び抜けた才能を持つごく一部の人を除く凡人が使える武器は学歴とコネぐらいしかありません。だからこそアメリカでもみんなアイビーリーグを…

お客様は神様?

最近ようやくカスハラ対策を始めた企業もあるようですが、「お客様は神様」というメンタリティーが日本の生きづらさの大きな原因になっているのではないかと思います。 引退した人たちを除き、お客様の立場だけで日常を過ごせる人はいません。みんな何かしら…

政権交代の話

アメリカは11月に大統領選を控えています。アメリカの場合政権交代は普通のこととはいえ、最近民主党・共和党の政策の隔たりが大きくなってきているし、トランプはかなり予測不能のところがあるので、影響は今までの政権交代よりも大きくなると思います。も…

医療制度の話

たまには日本の方が優れているという話をしましょう。 アメリカでは医療費が高いというのは有名です。医療保険に入っていて普通に健康であればそんなに問題はないのですが、保険料は高いですし、そもそも処置の原価が高いので日本よりは医療費がかかります。…

継続は力なり?

日本では習い事、部活、仕事など長く続けるのがよいとされています。そのせいか嫌でも下手でもいつかは芽が出ると信じてやり続ける人が多いようです。もっとも最近は転職も普通になってきたようなので、そういう意識は薄れているのかもしれませんが。 アメリ…

マイナンバーの話

私はマイナンバー制度が始まる前に日本を出て、その後一度も住民登録をしていないので、マイナンバーも持っていません。ですがアメリカの社会保障番号(ソーシャルセキュリティーナンバー、SSN)は持っています。 コンセプトは似ているのですが、運用の仕方…

入学試験の話

私は学生時代をすべて日本で過ごしましたので、もちろん入学試験をいくつか受験しました。当時はそれが当たり前だと思っていたのですが、アメリカの大学の選抜方法を見ると弊害も目に付いてきます。 アメリカの場合は入試と言えるようなものはなく、共通テス…

終身雇用の害悪

日本の生産性が上がらない大きな理由として、終身雇用を初めとする雇用慣行があります。今はもうないと信じたいですが、昔は「窓際族」と呼ばれる社員がいたそうです。仕事のない社員に給料を払い続けるなど、アメリカではありえません。 何を隠そう私も事業…

英語の話

15年もアメリカの会社で仕事をしていると、仕事に必要な英語には不自由しなくなります。笑いのツボ、スポーツの趣味、子供の頃に見ていたテレビ番組などがアメリカ人とはだいぶ違うので雑談は未だに苦手ですが、インド人や中国人を初め同じような人は多いの…

一極集中のすすめ

地震の復興に関して、財務省が「無駄な支出を避けたい」と珍しくまともなことを言っているようです。じゃあ万博はどうなんだという話は確かにありますが、復興の方針としては真っ当だと思います。 自然災害が多く、人口も減っていく一方の日本で、ごく少人数…

テスト問題の日米差

また目を疑うような記事が。記事というか例として挙がっている問題に呆れてしまいました。 相変わらずの暗記偏重はどうにかならないものでしょうか。そりゃあ裁判の仕組みぐらいは知っておいた方がよいと思いますが、教科書に出ているからと言って検索すれば…

完璧主義の罪

日本人を見ているとつくづく完璧主義なだあと思います。しかもそれを他人に強制し、同じようにできない人を爪弾きにするのでタチが悪い。外国人がお客さんでいる限りは許してもらえるので観光で行く分には楽しいのですが、住むとなるとついていけないと思う…

日本の大学

もうだいぶ前ですが、スタンフォードやMITを誘致するという報道を見て私は目を疑いました。日本の大学をどうにかするのが先じゃないかと思うのですが!? 私もたまに学会に参加して日本の大学の先生と話をすることがあります。かつては日本が世界の最先端を…

日本はうるさい

たまに一時帰国すると思うのは、とにかく「うるさい」ということです。騒音ではなくて、諸々の注意書きやアナウンスがやたらと多いのです。 羽田に着いて京急のホームに行くと、早くもアナウンスの嵐。よく覚えていませんが今は日本語・英語に加えて中国語・…

諸刃の剣

外から日本を見ていると、日本人の美徳とされていることが必ずしも良い方向に働かず、諸刃の剣状態だなと思うことがよくあります。 その代表例が真面目さ。決められたことをきっちり、時間をかけてでもやり通すのは良いことなのかもしれませんが、一方で効率…

日本人は移民が嫌い?

いくつかネタはありますが、まずは記憶に新しい話題から。 バイデン大統領が「日本の経済が成長しないのは移民嫌いだから」と発言し、日本が抗議したとかしないとかいうニュースがありました。選挙を意識してトランプ・共和党との差を強調したかった可能性が…

はじめまして

はじめまして、Froggieと申します。日本生まれ・日本育ちですが、縁あって15年前からアメリカで働いています。職業はある分野のエンジニアとでもしておきましょう。 社会人生活はアメリカの方が長くなり、たまに一時帰国する程度の日本についてはすっかり浦…