井の外の蛙

アメリカ在住15年エンジニアから見た日本

教員の話

教員給与改定をNHKが「定額働かせ放題」と報じたのに対して文科省が抗議したとかいう話があるようですが、抗議などしている暇があったら教員の本来の業務(教育)と全く関係のない業務のせいで発生する残業をどうにかするのが先決でしょう。

本の学校は超ブラック職場で、そのため教員志望者が減る一方と聞きます。無駄な報告書、モンペ対応、部活指導・・・と本来の仕事に関係のない業務が残ったままで、仮に残業代をもらったとしても教員のやる気が出るのでしょうか。勝手な想像ですが、教員志望の学生は教育に関してそれなりに高い志を持っているはず。それなら、同じ残業でも授業の準備ならまだやる気になるのではないでしょうか。私も年俸制で残業代はありませんが、面白い課題を解決するための仕事なら多少の残業は厭いません。

アメリカはアメリカで教育格差などいろいろ問題はありますが、平均的に見れば教員の労働環境は日本よりずっと良いです。仕事はほぼ授業のみ。生徒や親の悩み・不満にはまずカウンセラーが対応しますし、部活は地域でできる人たちが指導してくれます。もちろん過剰な長時間労働はありません。シリコンバレーなどでは給与が家賃高騰に追い付かないという問題はあるようですが、それはまた別の問題。

日本は文科省が決めた内容を教えればいいというシステムなので、準備時間がなくても用意された教材を使ってそれなりの授業ができてしまいますが、それでは言われたことを忠実に守るだけの子供しか育ちません。あ、もしかしてそれが国の思惑?