井の外の蛙

アメリカ在住15年エンジニアから見た日本

終身雇用の害悪

日本の生産性が上がらない大きな理由として、終身雇用を初めとする雇用慣行があります。今はもうないと信じたいですが、昔は「窓際族」と呼ばれる社員がいたそうです。仕事のない社員に給料を払い続けるなど、アメリカではありえません。

何を隠そう私も事業所閉鎖に伴うレイオフを一度経験しています。最近の大企業のレイオフは株主対策の臭いがプンプンして問題だと思いますが、事業の取りやめや転換に際してリソースの再配分を行うのは当然。これをやらずに役に立たない社員を雇い続けるほど無駄なことはありません。日本では社員の専門性が低いので、配置転換で何とかするのだろうと思いますが、一から学び直すのは難しいですし、大胆な方向転換はできなくなります。

レイオフされた社員はしばらくは困りますが、捨てる神あれば拾う神ありで、もともと人材の流動性が高い社会では大きな問題にはなりません。もちろん、廃れた技術しかない人は次の仕事がなかなか見つからないということもあるでしょうが、それは技術の進化について行こうとしなかった本人の問題でしょう。

会社が会社なら社員も社員で、不満があるとすぐに辞めてもっと条件の良いところへ転職して行きますので、流動性の高さは労働環境を良くすることにもつながります。どうせ辞めないだろうからと無理な転勤を押し付ける日本企業とは大違いです。