井の外の蛙

アメリカ在住15年エンジニアから見た日本

完璧主義の罪

日本人を見ているとつくづく完璧主義なだあと思います。しかもそれを他人に強制し、同じようにできない人を爪弾きにするのでタチが悪い。外国人がお客さんでいる限りは許してもらえるので観光で行く分には楽しいのですが、住むとなるとついていけないと思う人が多いのも当然です。

日本の生産性の低さの原因のかなりがここになるような気がします。経済用語に diminishing return というのがあります。試験勉強に例えると、0点から70点に上げるのは簡単だけど、そこから80点、90点と上がっていくにつれて勉強時間に対する得点の上昇率がどんどん下がっていくという原理です。日本の場合、100点を目指して頑張るための費用と時間がとんでもなくかかることが多すぎます。ところが世の中に完璧なものは存在しないのでどこかで必ず問題が起こるわけですが、完璧にやったつもりなので問題が起きたときの対策が全くできていなかったりします。

アメリカは、70点で合格できるなら70点取れるように勉強すればいいという国です。その代わり、勉強しなかった30点のところで問題が発生するのは確実なので、その対策を講じておきます。その方が費用対効果で見ると効率がよいからです。

例えばアマゾンの配達。コロナ禍以降、商品は玄関先に置いていくのが普通になりました。当然盗まれることも多いのですが、その場合はアマゾンに言えばすぐに代わりを送るか返金してくれます。日本だと絶対盗まれないように手渡しか宅配ボックス以外ありえないという感じでしょうが、そんなことをすると手間と時間がかかります。

利益に上乗せしてあるのか、保険をかけてあるのか知りませんが、盗難の申し出に対応する費用の方が安いと計算したのでしょうね。