井の外の蛙

アメリカ在住15年エンジニアから見た日本

就活の話

最近の就活は3年生の春に始まると聞いて驚きました。ほとんど大学生活の半分です。内定がもらえれば大学の勉強に集中できるはずですが、実際は就職先が決まって安心してしまう学生がほとんどでしょう。

企業としては大学の勉強など役に立たないから就活をさせていた方がまし、といったところでしょうが、根本的な問題は本来セットだったはずの新卒一括採用と終身雇用のうち一方が消えつつあるのにもう一方がしぶとく残っていることです。

そもそも、就活が長期化しているわりにインターンシップがいまだに会社見学に毛の生えた程度のものでしかないのが不思議です。日本の大学の夏休みはアメリカに比べれば短いですが、それでも1年生の夏休みから給料をもらう責任のある仕事をした方がよほどちゃんとした就業体験になるし、大学の勉強にも影響がありません。

また中途採用が一般化してきている以上、大学を卒業したらすぐに一生の仕事につくのが普通という考え方を社会全体でやめるべきです。アメリカでは在学中に「ちゃんとした」インターンシップをするのはもちろん、卒業してしばらく長期インターンをしてから就職したり、インターン後もっと勉強したくなって大学院に行ったりするのも普通です。

受験もそうですが、日本は「これに失敗すると人生が終わる」と若者に無駄なプレッシャーをかけるのが好きなようです。