井の外の蛙

アメリカ在住15年エンジニアから見た日本

現金志向の話

まもなく日本で新札が発行されますが、自販機等のアップデートに費用がかかるなど文句が出ているそうです。世界的にも珍しいほど現金志向が強い国民性とはいえ、確かに今まで通り20年おきに新札に切り替える理由がわかりません。紙幣に国王の肖像を入れることになっているイギリスは別ですけど。

アメリカも中国ほどではありませんが脱現金が進み、私はほとんど現金を持ち歩きません。今財布を見たら20ドル紙幣が入っていましたが、おそらくずいぶん前に日本人と食事をして割り勘したときのものでしょう。もちろん私が全額カードで払って半分現金でもらったのです。アメリカ在住者どうしならVenmoかペイパルで済みます。

海外も、少なくとも私が行くようなところは全部カード払いで済むので、空港で両替することはもちろん、ATMで現金を下ろすこともしなくなりました。日本へ行くときも同様で、当然スーパーやコンビニでもカード支払い、現金のみの店は行かなければいいだけの話です。為替手数料無料のクレジットカードを持っていますし、中途半端な小銭が残ることもないので、現金より経済的でもあります。

店側としても現金を扱うのはコストがかかります。新札切り替えの費用が最たるものですが、そうでなくてもレジ・金庫などの設備、集計の手間(人件費)、現金輸送など挙げればきりがありません。さらに数え間違い、盗難、店員による不正のリスクもあります。

電子決済は手数料を取られるといって嫌う個人事業主もいるようですが、これだけのコストが削減できるのであれば十分もとが取れると思います。今時現金に固執するのは売り上げを帳簿に残さないためとしか考えられません。

新札発行に文句があるのであれば、この際みんなでボイコットして全部電子決済に切り替えればいいのではないでしょうか。